2020.08.19
和風レトロな雰囲気に時間を忘れる珈琲茶房
こんにちは。にじねこMiiです。
新京成線「二和向台」駅から住宅街を5分程歩いたところに、ちょっとレトロな構えのお店があります。そこは3軒連なる長屋の一角。中をのぞいてみると、こじんまりとしたスペースにテーブルとカウンターが置かれていて、落ち着いた間接照明の中に、懐かしさを感じさせる和のインテリア。
「珈琲茶房 光香(こうか)」
マスターの川田純さんがこちらに店を構えたのは2年前。もともとコーヒー好きではなかったという川田さん。10代の頃に遭ったバイク事故をきっかけに、奥深いコーヒーの世界と出会いました。そして当時市川でコーヒー店のマスターをしていた故・楠木惇さんに弟子入りし、修業を積んだのです。
楠木さんから受け継がれたコーヒーの作法は「可否道」と呼ばれ、茶道のようにきちんと手順を踏んで淹れていくやり方。豆の様子を見ながら、お湯を注ぐ強弱や高さを変えていきますが、指先の一つ一つにまで集中しているのが分かり、見ているこちらも心地よい緊張感を感じます。
それにしても、カウンターの目の前で丁寧にコーヒーを入れてもらう時間ってなんてぜいたくなんでしょう。鼻をくすぐる挽きたてのコーヒー豆の香り。そこに流れる心地よい時間。落ち着いた照明や古い柱時計がほっと気持ちを落ち着かせてくれます。
カウンターの奥の食器棚にずらりと並んだカップから自分の好みの器を選ぶのも、ここ「光香」での楽しみ方のひとつ。
にじねこが選んだのは和風の大きめのカップ。川田さんがおすすめのブレンドコーヒー「光香(¥650)」をたっぷりと注いでくれました。5種類のコーヒー豆をブレンドしたもので、しっかりとした苦みのあとにくるのは意外にもさっぱり感。
こちらの「インドプランテーション(¥1,000)」は季節限定メニュー。深煎りのしっかりとした味わいで、強い存在感です。
実は「光香」に来たら、ぜひ試してみたいと思っていたメニューがありました。それは「カフェ漬けセット(¥1,000)」。なんと、コーヒーのお茶漬けです(お茶ではありませんが(;’∀’))!
でもちょうど前日に注文が相次いだそうで、材料がそろわず残念ながら食べることができませんでした。正直どんな味なのかまったく想像もつかず、よけい気になってしまいます・・。
と川田さん、「カフェ漬け」でごはんの上からかける「和香」というブレンドコーヒーを少し味見させてくださいました。
こちらがその「和香」です。見てください、この色!これ、コーヒーですよね・・?
「和香」は極浅煎りのコーヒーで、いわゆる普段飲んでいる「コーヒー」とはぜんぜん違うのです。一口飲むとたしかにほんのりとコーヒーの香り。でも飲んだ感じはまさにお茶に近い感覚です。これは・・ごはんの上にかけてもあんまり違和感ないかも?
この「カフェ漬け」には川田さんがこだわって選んだ漬物もついており、これがまたカフェ漬けに合うそうですから、次回こそはぜひ試したいところです。
店内の壁に掲げられた「光香」の書を目にして、その名前の由来が気になり、川田さんに聞いてみました。
実は先述のバイク事故で大けがをし、生死をさまよった経験を持つ川田さん。その時そこに見たのは、ただ真っ暗な世界でした。でもそのあと、亡くなったおじいちゃんが出てきて「まだここには来ちゃいけない。」と川田さんに告げたそうです。そして最後にまぶしい光に包み込まれ、この世に戻ってきた感覚があったのだとか。
「その時以来、『自分にとってはまだ死ぬ時期じゃないから、今こうして生きてるんだな。』と思うようになりました。」と川田さん。そして最後に見たあの「光」が忘れられず、コーヒーのかぐわしい「香」とあわせて「光香」という名前にしたそうです。
さてコーヒーのあと、ちょっと甘いものを食べたくなり、プリンを頼んでみました。
川田さん考案の「珈琲×牛乳プリン(¥300)」は、自家製プリンに細かく挽いたコーヒー豆を載せて食べるスタイル。
こしょうを挽くペッパーミルで豆を削り、自分の好みの量を振りかけます。2種類のペッパーミルは挽いたときの細かさが違うので、食感の違いを比べるのも楽しい!
調子に乗ってさらにもう一つデザートを(笑)。
「茶釜プリン(¥300)」はシンプルな自家製プリンに黒蜜をかけていただきます。でもこちら、黒蜜をかけないでいただいてもすごくおいしいんです♪とにかく卵の味が濃い!
なんでも近くにある「たまごや(押木養鶏場)」さんというお店の新鮮卵で作っているそうで、取材帰りに思わず卵を買って帰ったにじねこでした(;’∀’)。