2019.06.14
車いすのパティシエが作る、こだわりの無添加ケーキ
こんにちは、新京成沿線在住30ウン年のヴィッキーです。
みなさんは、“無添加ケーキ”って聞いたことがありますか?
国産小麦粉と国産バターを使い、植物油脂やショートニング、マーガリンなどは一切使わないケーキのことです。もちろん使用する果物も無農薬や低農薬のもの。でもコストと手間がかかるため、無添加のケーキはなかなか商品化できないのが現状なのだそう。
その無添加にとことんこだわっているのが、松戸市牧の原団地内にある『パティスリー みつ葉とはーと』さんです。
お店は牧の原団地内のショッピングセンターにあります。手書きの大きな看板がお出迎え。
ショーケースには、イチゴ、オレンジ、マンゴーなど、旬の素材を使ったケーキやタルトが並んでいます。
定番のショコラやモンブランも。素材の産地も手書きで書いてありますよ。イチゴは紅ほっぺ、みかんは瀬戸内海の農園直送のせとかなど。「どれも安心・安全な素材で作っています」というお店の自信が伝わってくるようです。
早く無添加のケーキを食べたーい! 気持ちがはやりますが、その前に、パティシエの西村さんとマネジャーを務める奥さまの加代子さんにお話を伺ってみました。
西村さんは車いすを利用していますが、これは全身の筋力が低下する進行性の病気、筋ジストロフィーを患っているため。病気と共存しながらケーキを作り続けているのです。西村さんは都内の老舗結婚式場、東京會舘で20数年働いたベテランのパティシエですが、病気の進行により退社。その後、加代子さんと出会い、3年半前にこのお店を開きました。
加代子さんはもともと食の安全に強い関心があったそうで、ここのケーキには二人の思いと技が詰まっているんですね。
オープン当初は新聞などで報道されましたが、障がい者のチャレンジストーリーとして取り上げられたとか。
「障がいをもつ方がたくさん来られて、皆さん話をしたいとおっしゃるんです。それはありがたいことでもあるのですが、とても仕事にならず困りました」とお二人。
「今は、障がい者の店というより、美味しくて安全なケーキ店として見てほしい」というのが、二人の願いです。西村さんは電動車いすで作業しますが、調理場は通路が若干広いだけで特別な仕様ではありません。力のいる作業は加代子さんがアシストしています。
さあ、そろそろケーキを味わってみましょう。 店内には丸テーブルが2つあり、選んだケーキをその場でいただくこともできます。
イチゴのショートケーキ “ガトーフレーズ”(左・550円)と、東京會舘の伝統を生かした“マロンシャンティ”(右・500円)です。2個、いっちゃいますよー♪♪
まず、ガトーフレーズを。クリームを口にした瞬間、あまりの軽さに驚き。粉雪が溶けていくようです。甘さは控えめで、イチゴは果肉が大きく、甘みと酸味のバランスがよい “やよい姫”を使用。「生クリームはしつこくてもたれるとか、甘いのは苦手という方でも、うちのケーキは大丈夫といってくださる方が多いんですよ」と加代子さん。
わかります! ホールで食べちゃいたい誘惑にかられます!
そして次なるマロンシャンティに。白い生クリームのドームの中には、小さく切ったイタリア産無添加の栗がたっぷりと詰まっていました♥
季節のショートケーキはどれもおすすめで、6月は瀬戸内海の無農薬レモンを使ったケーキやタルト、夏は桃やメロン、巨峰を使ったものが並びます。お店をのぞくのが楽しみですね。
お茶ももちろんオーガニックで、私はハーブティーをいただきました。八王子で自生ハーブを育てている方から取り寄せているそうです。
焼き菓子もパティシエが力を入れている商品。どれも無添加の素材を使い、香料も使っていないのでお子さんにも安心です。
左が玄米パウンドケーキ、右がアーモンドパウンドケーキ(どちらも250円)。玄米パウンドは甘さが控えめなので朝ごはん代わりにいいかも。
場所は牧の原団地郵便局の並びですが、入口は団地の内側にあります。車の方はショッピングセンターの駐車場が利用できます。