2022.11.02
ケーキもアイスも焼菓子も!選ぶ楽しみが止まらないケーキ屋さん
洗練された季節のケーキがおいしいと評判の洋菓子店「菓人KICHISE(きちせ)」を訪れました。新京成線二和向台駅近くにあり、都内から買いに来るファンも多いといいます。
店内に入ると、ショーケースには色鮮やかで目にもおいしいケーキの数々が並んでいました。ざっと20数種類はあるでしょうか?どれもおいしそうで、この中からひとつ選ぶのは難しいなあ・・なんて思いながらさらに奥へと目をやると、もうひとつ別のショーケースが。
なんと、アイスクリームもあるんです!しかもこんなにたくさん!
カップアイスだけでなく、アイスケーキやジブレ(フルーツの中にその果肉を使ったシャーベットを詰めたもの)など、バリエーションも豊富です。これ全部、お店で作られているのだそう。
この他にもギフトに喜ばれそうな箱詰めのお菓子や、ティータイムにつまみたくなる焼菓子など、店内には実にいろいろな種類の洋菓子がそろっていました。
焼菓子は一つずつ買えるので、店を訪れるたびにあれこれ試してみたくなりそうです。こんなかわいいガラスケースに入ったメレンゲ菓子もいかがでしょう?なかなか他では見かけませんよね。
オーナーシェフの吉瀬元彦さんにお話を伺いました。もともと大学で建築を学ぼうと思っていたという吉瀬さん。お菓子で作られたお城や時計をたまたまテレビで目にし、「面白そう!」と思ったのがきっかけで思いがけず菓子職人の道へとかじを切ることになったそうです。製菓の専門学校で1年間学んだ後、いくつかの店で研さんを積み、洋菓子作りの確かな知識と技術を身に付けていきました。
「菓子職人として働いてきた中で、僕は自分の店を持ちたいと考えたことはそれまで一度もありませんでした。でも妻の『ケーキ屋を開きたい』という一言で店のオープンを決めたんです」。
初めは東船橋に店を開き、その後二和向台に移転したのが2007年。今ではすっかり地元でおなじみのケーキ屋さんです。吉瀬さんは「店内で作る全ての商品に自分が責任を負う」という意味を込めて、自身の姓である「KICHISE(きちせ)」を店名に掲げたといいます。「店って、わざわざ足を運んでくれるお客さまのためにあると思うんです。そんなお客さまを大事にしたいので、自分たちが作ったものは、目が届く自分たちの店で責任をもって売りたいと思っています」
看板の「菓人KICHISE」の文字の下には、小さな字で「パティスリー・ア・マ・ファソン」というフランス語が添えられていました。「ア・マ・ファソン」とは「自分流」「私らしく」という意味。「『菓人KICHISE』のベースにあるのは、フランス伝統菓子です。それを自分流にアレンジすることで、他の店では出会えないようなお菓子を提供したいんです」
なるほど。これだけたくさんの種類のお菓子を並べ、お客さまに選ぶ楽しみを提供しているベースには、そんな思いがあったのですね。
もともと建築を目指していただけあって、考え方は理系という吉瀬さん。商品のアイデアを思いついたり改良したりするのが好きで、試行錯誤して作り上げた商品の売れ行きがよければ「自分のこだわりや思いが伝わった!」と嬉しく思い、逆に売れ行きがイマイチなら、さらなる改良を重ねていきます。
それにしても、店内には本当にいろいろな商品が置いてありますね。中にはこんなブルドッグの絵があしらわれたものもありました。
「実はこれ、僕がモデルなんです」と吉瀬さん。奥さまが「ブルドッグにそっくり!」と言ったのをきっかけに、イメージキャラクター化したのだそう。言われてみれば、確かに似ているかも・・?こういう遊び心があるのっていいですね!
「妻とは『せっかくなら、楽しみながら店をやっていこう』といつも話しています」
では最後にいくつかお店のお菓子をご紹介しましょう。
まずはケーキ。迷ったあげく、筆者が買って帰ったのは3種類です。個性的な見た目の「菓人のモンブラン(540円)/写真左側」と、口に入れた瞬間、スッと溶けていくチーズケーキ「ニューヨーク(486円)/写真中央」は、店の3大人気商品の二つ(ちなみに最後の一つは「セシル」だそう)。そしてオレンジムースの酸味とガナッシュショコラの甘さがベストマッチの「ノワゼット‣オランジェ(519円)/写真右側」。どれも至福のコーヒータイムを演出してくれること間違いなしです。
それから先ほどご紹介したガラスケースのメレンゲ焼菓子「ムラング‣アマンド(120円)/写真右側」。まるでアイスクリームのアタマみたい!しかもこれが結構大きいのです。かじるとホロッと崩れ、アーモンドの香ばしい風味が口の中に広がります。
「フロランタン(216円)/写真左側手前」はねっちりとした食感で、オレンジピールの爽やかな香りと、キャラメリゼしたアーモンドの苦みが効いた味。そして「スモークチーズ」「ガーリックペッパー」(共に108円/写真左側奥左右)の塩クッキーは、ワイン好きさんにもピッタリかも!
最後にこちらはケーキ屋さんで作られた「カラマンシーのアイス(486円)」。カラマンシーなんて初めて聞いたのですが、フィリピンでとてもポピュラーなかんきつ系の果実なのだとか。さっぱりとした香りが爽やかなアイスクリームでした。
吉瀬さんが最近力を入れているのは「人を育てること」。「店のオーナーさんによっては、途中から現場を退いて経営に集中するという考えの方もいますが、僕は毎日若い職人たちと厨房に立ってお菓子を作ります。僕と一緒に働きたいと思って入社してくれた子たちには、僕が直接技術を伝えてこそ、意味があると思うんです」
菓人KICHISE
Address
千葉県船橋市咲が丘4-1-2
Tel
047-447-8833
営業時間
10:00~18:30(諸事情により変更の場合あり)
定休日
火曜日、水曜日(諸事情により変更の場合あり)
備考
「菓人KICHISE」公式サイト
https://www.kajin-k.com/