2020.02.10
しょうゆいらず!豆のおいしさがダイレクトに味わえるお豆腐屋さん
こんにちは。にじねこMiiです。
松戸にある「とうふ工房 豆のちから」を知っていますか?
「豆のちから」は「就労継続支援B型事業所」とよばれる施設。新京成線「上本郷」駅から歩いて3分程のところにあり、障がいを持つ人たち(以下、利用者さん)が通っています。利用者さんたちはここで支援員のサポートのもと、豆腐やドーナツ・プリンなどのお菓子を作り販売しているんです。
工房をのぞかせてもらうと、利用者さんがちょうど豆腐を作っている真っ最中でした。「豆のちから」で作られているのは絹豆腐と充てん豆腐。すべて宮城の社会福祉法人「はらから福祉会」で製造した豆乳から作られています。
工房では、皆さんそれぞれの仕事に熱心に取り組んでいました。こちらでは固める前の豆腐を一つ一つ小さなボウルに入れて、重さを量っているところです。
そしてそのすぐそばでは、充てん豆腐を一つずつパックする作業。この充てん豆腐はこのあと加熱をして冷やしてから、商品として店頭に並べられます。
折しも奥の工房では、ちょうどお菓子を作る作業が終わったところ。作りたての「おからドーナツ」のいい匂いが2F全体に漂っていました。心をくすぐる「しあわせの香り」ですね♪
さて、1Fのお店では「豆のちから」で作った豆腐や豆乳プリンのほか、「はらから福祉会」で作られた商品も販売しています。
あ、これはさっき2Fで作っていた人気商品の「おからドーナツ(¥90)」です!甘さ控えめ、やさしくてほっとするおいしさでした。作ったそのままで店頭に並べてあると、作り手さんの存在が感じられてなんだかうれしくなります。そんなところも人気の理由のひとつかもしれません。
お店で対応してくださった八木謙一さんと支援員の金光朋子さん。八木さんは「豆のちから」に通い始めてなんと8年というから驚きです!昨年の7月から支援員をしているという金光さんも、「分からないことは八木さんに聞くと教えてくれるんですよ。」と頼りにしているようです。
「豆のちから」自慢の豆腐やお菓子を味わってみたいと思い、いくつか買って帰りました。お菓子工房で「豆乳プリン(¥150)」を作っている八木さんにおすすめを聞いてみたところ、イチオシは「コーヒー」とのこと。
いただいてみると、コーヒーとカラメルの程よい苦みが効いたおいしいプリンでした♪どれも甘さ控えめのさっぱりとした口当たりで、いくらでも食べられちゃいそう!
上の写真右側の豆腐、「しょうが 絹(¥150)」は金光さんのおすすめ!中にはなんと、刻みしょうがが混ぜこんであります。いただいてみると、おろししょうがを載せて食べる冷や奴とはぜんぜん違うんですよね。しょうがのシャキシャキ感とピリッとした辛みがアクセントになって、これはクセになるかも!金光さんいわく、味噌汁に入れてもおいしいそうですよ♪また左側の「黒ごま 絹(¥150)」は豆腐の甘味と黒ごまの香ばしさが際立っていて、デザートのような感覚です。
ちょっと気になっていたのがこのふたつ、「青い絹(¥260)」と「白い絹(¥240)」(どちらも2個組)。「青い絹」は「青ばた」、「白い絹」は「ミヤギシロメ」とそれぞれ宮城県産の別の大豆から作られた豆腐です。「青い絹」はうっすらと青みがかっていて不思議!にじねこは甘味が強い青がお気に入りです。
どの豆腐も豆本来の味がダイレクトに楽しめるので、にじねこはしょうゆをかけずにおいしくいただきました。
お店を運営している「社会福祉法人 まつかぜの会」の理事長、柳町美恵子さんにお話を伺いました。「まつかぜの会」は利用者さんが地域で働き、自立した生活を送れるよう様々な支援を行っています。
柳町さんによると、「豆のちから」は店頭での販売以外にイベント参加にも力を入れています。なぜなら「豆のちから」というお店のことや、障がいを持つ人たちがそこでおいしい豆腐やお菓子を作っていることを、地域の人たちにもっと知ってほしいから。そしてお店にも足を運んでほしいと思うからです。
そういえば、秋に開催されたイベント「松戸モリヒロフェスタ」でも「豆のちから」が出店していて、一度立ち寄ってみたいとにじねこもずっと気になっていたのでした。
イベントに参加しはじめた頃は、「もし外に出て何か事故にでも遭ったら・・。」と利用者さんを連れ出すことに心配の声もあったそうです。でも柳町さんは言います。
「お話好きでイベントへの参加を楽しみにしている利用者さんも多いんですよ。『これは僕が作ったんだよ!』なんて言いながら、お客さんとのやりとりを楽しんでますから。」
まさに先ほど紹介した八木さんがそうでした!イベントの話をしている八木さんはとっても楽しそうでしたっけ。
柳町さんは続けます。
「利用者さんが外に出てお客さんと直接関わることで、自分が必要とされている、自分の作ったものが喜ばれていると実感できるんですよね。そしてそれは利用者さんたちの誇りと自信になる。それってこれから長く社会で生きていくための力につながると思うんです。」