2023.11.01
琴の音に耳を澄ます秋の始まり
京成津田沼駅からすぐの場所「琴三味線 牡丹会 津田沼教室」さんへ、琴のお稽古を見学しに伺いました。
澄み切った青空、徐々にやわらかくなる日差しに秋を感じます。
やや緊張していたのですが、明るい笑顔で迎えてくださった先生を見て、ホッとしました。
大塚先生は、気楽に和楽器の世界に触れてほしいと、オープンな教室を目指して日々、琴と三味線に向き合っています。
たしかに、琴や三味線などの和楽器って、日本人といえどもあまりなじみがないように思いませんか?まず、身近で琴を見る機会が少ない気がします。
琴の、端から端までの長い形は、竜が横たわっている姿と言われているそう。竜とは、なんとも神聖な例えですね。
弦がとめてある角の部分が「竜角(りゅうかく)」。ここから大体1.5㎝、「竜の頭」にあたるところで弾きます。
翌年の発表会に向けた曲を練習中の生徒さん。先生との音合わせを、聴かせてもらいました。わ~、こんなに近くで琴の音色を生で聴くのは初めてです。私には、二つの琴の音が合わさり、まるで会話をしているように思えました。向かい合っているとなお、息の合った演奏がしやすいのでしょうか。
先生のアドバイスをはさみながら、曲の練習は続きます。弾くときの姿勢にまでも、気を配るんですね。曲のイメージに合わせて背筋を伸ばすときもあれば、音に力を込めたいときは、ぐっとかがむ。体重をのせるイメージでしょうか。楽器の演奏は、体全体をうまく使うのがコツのようです。
「琴の音色は、意外と響くんですよ。その音の余韻に浸って、自分が癒されていく。琴の魅力の一つだと思います。発表会で、三味線や尺八などの楽器と合奏できるのも楽しいです」生徒の豊田さんは、ご自身の時間が作りやすくなって、琴のお稽古を再開したそう。
「弾いているときの間の取り方や息づかいは、リモートのお稽古では伝えられないことが多いですね。楽器の演奏は、こうして対面で行うのが一番です」
よく聴くことのある、琴のアルペジオをさらりと弾いてくださる先生。すてきです~!
先生から「琴の演奏を体験されてはいかがですか?」とのやさしい導きに、私も琴に初挑戦です!「さくらさくら」を弾いてみました。驚いたことに、この曲は初めてでも弾けてしまいます!うれしい~♪ただし、譜面どおりの自動演奏のようですが…。「『さくらさくら』は、琴のためにあるような曲なんですよ」と笑顔の先生。
さくら~の譜面は、漢数字の「七」から始まります。これは七番目の弦を示していて「さくら~さくら~」は「七七八~七七八~」となります。漢字が混じるのは、中国から伝来した楽器の譜面に多いのかもしれません。
違う曲ですが、例えばこんな感じの譜面です。
近年は、街角ピアノ・駅ピアノ・空港ピアノ…といった路上演奏が多く見られますよね。その場のノリで、他の楽器や歌が加わったりもして、自由に音楽を楽しんでいるのが伝わります。
「皆さんにもっと琴に親しんでもらうため、古典の曲とあわせて現代の曲も取り入れています。生徒さんとのお稽古から、私自身学ぶことが多くて、勉強させてもらっているんですよ」
いつか当たり前のように「ストリート琴」を見られる日が来るかも…。そう思うと楽しみです。
琴三味線 牡丹会 津田沼教室
Address
千葉県習志野市津田沼5-13-4
Tel
047-454-3281
備考
牡丹会公式サイト https://botankai.com
メールアドレス chieko_ohtsuka@yahoo.co.jp